2月20日、メルボルンで行われたテニス全豪オープンの女子シングルス決勝で大坂なおみ選手が勝ち、二度目の全豪制覇を果たした。今大会、大坂選手のプレーはもちろん、その言動の成長ぶりに目を見張ったテニスファンは多かったのではないか。私もそんな一人だったが、同時に表彰式で沸き起こる観客席からの歓声に、別の意味で実に感慨深いものを感じた。 全豪オープン女子シングルス表彰式の様子 試合後ロッドレーバーアリーナのコート上で、オーストラリアの往年のダブルスの名手トッド・ウッドブリッジ氏を司会に行われた表彰式。決勝戦の相手、ジェニファー・ブレイディ選手、続く大坂選手のスピーチに観客が大きく反応。彼女たちも歓声や拍手に応え、アリーナの一体感が増していることが映像からも伝わって来た。そして、写真撮影も終えて大坂選手が退場する際には、ファンが差し出すテニスボールやパンフレットにサインをするお決まりの光景が繰り広げられた。それは一見いつもと同じグランドスラムの表彰式の光景だった。しかし、それは私には半ば奇跡にも近い光景に見えた。 »
先回のブログを書いてから、随分と時間が経ってしまった。3月に続いて直ぐにオーストラリアの新型コロナウイルスの様子をレポートしようと思っていたが、なにせオーストラリア発に限らず、ニュースが新型コロナ感染拡大の話一色になり、どのトピックを取り上げるべきか大いに悩む事態に陥った。そうこうしている内に、私が春学期非常勤講師を担当することになっていた大学2校でも遠隔授業で一学期を乗り切ることが決まり、その対応と残務処理に四苦八苦している内にあっという間に9月になってしまった。 その間のオーストラリアの新型コロナ禍の状況はと言えば… お隣のニュージーランドのケースが日本でも成功例としてメディアに取り上げられたほどではないが、当初オーストラリアはこのウイルスの国内での感染拡大阻止にそこそこ成功しているように見えた。始まりは夏休みを利用して故郷の中国を訪ね、その後オーストラリアへ帰国した人や、彼らと一緒にオーストラリアを訪ねて来た家族に感染が確認されたケースだった。その後、ヨーロッパでの感染拡大を受けて、ヨーロッパからの帰国者、訪問者に感染者が確認されるようになった。それが正に「第一波」だったのだろう。オーストラリアでは健康・保健の問題は州政府が主導権を持つため、 »
一つ前のブッシュファイアーに関するブログを書いてから少し時間が経った。その間に月は変わり、現地オーストラリアでの報道も、新型コロナウイルスに関する件ほぼ一色になってしまった。オーストラリアでは当初水際作戦が効いていて、感染者の数も一桁だったが、ウイルスが世界の各所に広がる中、イタリアやイランからの帰国者や彼らへの接触者の感染が確認されるケースが増えている。 ここしばらくはスーパーマーケットでのトイレットペーパーの買い占め問題がトップニュースだ。日本でも起こっている現象だが、オーストラリアのスーパーは、そもそも店舗が日本のものと比べると大きく、棚も大きいことから、そこが全くカラッポになっているビジュアルはなかなかインパクトがある。3月13日にはピーター・ダットン内務大臣が感染し、入院したことが発表され、またオーストラリア滞在中の米俳優、トム・ハンクス夫妻も感染が確認され、ゴールドコーストで隔離生活を送っていることが報道された。 トム・ハンクス夫妻の様子を伝えるABC News(3月1 »
2月16日日曜日、シドニーのANZスタジアムで恐らくこの手の音楽イベントとしてはオーストラリア史上最大だったのではないか?と言われている「Fire Fight Australia」というコンサートが開催された。題名から容易に想像出来るように、昨年来オーストラリアを襲っていたブッシュファイアー(森林火災)被害救済のチャリティーコンサートだ。 Queenのオフィシャルフェイスブックページより 1月に入って開催がアナウンスされ、13日に発売された65,000枚のチケットは、5時間で売り切れ。追加のチケット発売もあり、ANZスタジアムの通常の収容人数を考えると、75,000人の人たちが現地へ足を運び、その模様はチャンネル7が生中継をしたので、多くのオーストラリアの人たちがこのコンサートを体験したのではないだろうか。そして、私のように海外にいるオーストラリアに縁のある者は、ライブ当日ツイッターをフォローすることで会場の様子をリアルタイムで知り、 »
こんなにラグビーファンが日本にいたのか??そんなことを思い続けた少々感動の一ヶ月半だった。 ワールドカップ開催中に品川で見かけた看板 日本で、いや、アジアで初めて開催された「ラグビーワールドカップ」。ネットのニュースの上位にラグビーの話題が上がって来るし、TwitterやFacebookなどのSNSも、元々私がフォローしている人たちにラグビーファンなどほとんどいなかっただろうに、ラグビー関連の投稿で溢れ返った。所謂俄かファンもいただろうし、前からラグビー押しだったけれど、今まで一般的に話題にならないから黙っていた、隠れ?ラグビーファンの人たちもいただろう。後者の人たちがここぞとばかりにラグビー愛を炸裂させ、熱いコメントを連投しているのが実に面白かった。 ちょうど開催期間中に定期検診で訪れた病院の主治医も、一通り必要な説明をし、薬を処方した後で、「ところで原田さんはラグビー、観てるんですか?」と聞いて来た。え?とびっくりしつつ、 »