「シンガポール労働法〜雇用要項〜」

前回は、シンガポールにおける公正な採用活動に関するルールと、その留意点についてご紹介しました。 従業員の採用が決まったら、次は採用時とその後の雇用に必要な書類の準備と手続きを行います。今回は、企業が従業員を雇用する際に法律上作成が義務付けられている書類と、その他の重要なポイントについて説明します。 雇用契約書 雇用契約(英語:Contract of Service)は、雇用条件など、雇用主と従業員の関係を定義するものです。労働時間や職務の範囲など、主要な雇用条件や必須条項が含まれていなければなりません。 契約は、書面、口頭、明示、黙示のいずれでも可能です。任命書や雇用契約書、実習契約書などの形式も可能です。 »

「シンガポールの労働法〜公正な採用〜」

前回のレポートでは、シンガポールの雇用法(EA)について簡単にご紹介しました。今回のレポートからは、EAの具体的な内容などについて、より深く掘り下げてご紹介していきます。 会社を設立するとき、その最初のステップとなるのが、ビジネスのための人材を確保することです。シンガポールでは、現地人であれ外国人であれ、従業員を雇用する際に、会社が考慮すべき点がいくつかあります。これは、雇用者と被雇用者双方の利益を守り、会社が法律に触れることがないようにするためです。 公正な採用選考 日本と同様、シンガポールの企業も採用活動において公正な選考を行うことが求められています。企業は、能力(スキル、経験、職務遂行能力など)に基づき厳格に採用選考を行うべきであり、 »

「シンガポールの労働法〜EAの紹介」

シンガポールのすべての企業が遵守しなければならない多くの法的要件のひとつは、雇用関連の法律です。そのため、企業や個人にとって、雇用主や従業員としての権利や義務を理解するために、雇用法やその他の関連法規に精通していることは非常に重要なことです。 この新シリーズでは、労働法の主要部分と、それに関連する知っておくべき事柄を簡単に紹介・解説していきます。 EAとは 「Employment Act(略称:EA)」 は、シンガポールの労働法です。一部の例外を除き、すべての種類の従業員の基本的な条件と労働条件を規定しています。 EAは1968年8月15日に初めて制定・施行され、1971年までにシンガポールから英国軍が撤退することによって起こるであろう経済的影響に備えるために、政府が計画した取り組みの一つでした。その目的は、職業や肩書きに関係なく、すべての従業員の雇用条件を標準化し、 »

「シンガポールのケア経済」

前回までのレポートで、シンガポールの「デジタル経済」と「グリーン経済」をご紹介しました。今回のレポートでは、最後の新興分野「ケア経済」を紹介します。これまでの2つの新興分野が経済を対象としているのとは異なり、ケア経済は主にシンガポールの社会や人々に直接利益がもたらされることを目的としています。 ケア経済の定義 人間の健康と可能性をサポートするケア、ウェルネス、ラーニングサービスのネットワークを総称して「ケア経済」と呼びます。 世界的に見ても、ケア経済は最も急速に拡大している経済分野の一つであり、雇用や経済成長・発展に大きく寄与しています。 また、COVID−19はこの流れをさらにあと押しし、ケアエコシステムの強化の必要性を加速させています。 »

「シンガポールのグリーン経済」

前回のレポートでは、シンガポールのデジタル経済について取り上げました。今回は、グリーン経済という新興分野を取り上げ、シンガポールの持続可能な経済発展への取り組みについて紹介します。 グリーン経済の定義 国連は、「グリーン経済」を「低炭素、資源効率、社会的包摂」と定義しています。 簡単に言うと、環境に配慮し、限られた資源をできるだけ効率よく持続的に利用しながら、生活し、働き、成長を追求することがグリーン経済なのです。 シンガポールでのグリーン経済 シンガポールは小さな都市国家であり、再生可能エネルギーを大規模に導入するための資源や土地、気候条件も整っていません。気候変動は国の存亡に関わる問題であり、そのため持続可能な開発は非常に重要視されています。 シンガポールはすでに長年にわたり、 »