「今後のシンガポール経済で需要のあるスキル」

2021年12月8日(水)、SkillsFuture Singapore (SSG)を代表して、シンガポールの教育相チャン・チュンシンが第1回レポート(タイトル:Skills Demand For the Future Economy Report)を発表しました。

SkillsFuture Singapore (SSG)とは 

2015年に始まった政府のキャリアサポート制度の総称で、シンガポール国民の生涯学習とスキル獲得の支援を目的としています。

レポートの主な調査結果

初回であるこのレポートでは、高成長が見込まれる3つの新興分野を厳選し、優先的に必要とされるスキルと職種にスポットを当てています。本レポートは、今後1~3年間における各個人の能力開発のためのリソースとして、シンガポールの人々に向けて作成されました。

これらの経済分野(「デジタル」「グリーン」「ケア」)でもたらされる新たな機会は、仕事のプロセスや職務の変化に影響を与える可能性があります。その結果、既存の仕事の内容やスキルプロファイルが変化し、同時に新しい仕事が生まれます。新しい機会を活用するために、雇用者と国民は、新興の分野における関連スキルの習得を優先させる必要があります。

3 つの経済が複数の部門にまたがる変革の原動力として広範な影響を及ぼしていることは、企業が同様の目的 のために変革を追求していることを意味します。
したがって、各経済分野の新たな発展を支えるために必要な一連の優先的スキルは、企業が目標達成のために同様のスキルを持つ労働者の需要を生み出すことで、さまざまな業界にわたって転用可能になります。

Digital Economy(デジタル経済)

デジタル技術を活用したデジタル製品やサービス、デジタルプラットフォーム、ビジネス活動の生産と消費を広く包含しています。

デジタル化・デジタルサービスの急速な進展に伴い、旧来の慣習やビジネスモデルが問われています。シンガポールはデジタル・インフラの整備が大きく進み、家庭や企業におけるデジタル機能の導入が進みました。

多くの企業がデジタルトランスフォーメーションやテクノロジーの導入に乗り出す中、デジタルスキルは様々なセクターで役立つようになってきています。デジタル経済では、職務に応じて、さまざまな種類のスキルが必要です。

デジタル経済の職務は大きく2つに分けられます。

  • Tech-Lite: 専門的かつ高度なITスキルを必要とせず、基礎的なデジタルソリューションを業務で使用する職務です。これらの役割は、金融サービス、航空・海上輸送などのセクターで最も必要とされています。

     例:データアナリスト、デジタルマーケティングアナリスト、カスタマーインサイトスペシャリスト

  • Tech-Heavy: より複雑な技術的ソリューションやアプリケーションの開発、実装、保守を担当する専門的な役割です。これらの職務は、主にICT、メディア、航空宇宙、陸上輸送などのセクターで求められています。

     例:ソフトウェアエンジニア、データサイエンティスト、AIエンジニア

現在、デジタル経済の仕事は、ITMを持つ23のセクター全てで見られ、シンガポールにおける技術職の大半はTech-Liteとなっています。 (ITMはIndustry Transformation Mapーシンガポールの23の産業を対象としたロードマップを作成)

デジタル経済からの優先スキルの上位クラスターは、全体として以下のようにまとめられています。

Green Economy(グリーン経済)

国連は、「グリーン経済」を「低炭素、資源効率、社会的包摂」と定義しています。 簡単に言うと、環境に配慮し、限られた資源をできるだけ効率よく持続的に利用しながら、生活し、働き、成長を追求することがグリーン経済で、以下3タイプの成果のバランスを実現します。

  • 環境面:環境資源の持続可能な利用、炭素排出量ゼロを目指す
  • 経済的成果:経済的・組織的資源の持続可能な利用
  • 社会的成果:資源の衡平な配分

グリーン経済には、環境に有害な事業活動からをより環境に優しい事業活動に移行することにより、新しい事業機能を再構築および創出している企業が含まれます。

現在、ITMの17のセクターで、これらの優先スキルを必要とする450以上の職種があります。 これらのセクターは、製造業、貿易・流通業、情報通信技術(ICT)、金融サービス、接客業、建築環境など、多岐にわたっています。

Care Economy(ケア経済)

ケア経済とは、現在および将来の人口の育成と教育に関わるケアとサポートサービスを提供する、専門的な仕事とスキルの集合体を指します。

ケア経済は、高齢化社会、進化するケアへの要求、仕事と学習の未来によって推進されています。これは、健康を変革し保護し、人間の潜在能力を高め、生涯学習を教え込むという国家的な取り組みの一部です。これらの取り組みは、データを活用して、新しいケアモデル、教育と学習、健康とウェルネスに革新をもたらすものです。

これらのサービスを提供する部門を一般的に、ヘルスケア、ウェルネス、コミュニティケア、幼児教育、一般教育、トレーニングと成人教育などがあります。

References:
https://www.skillsfuture.gov.sg/skillsreport
https://www.mti.gov.sg/Resources/feature-articles/2017/The-Digital-Economy-in-Singapore
https://www.mti.gov.sg/ITMs/Overview